1996年5月1日(第32日)
ビシュケクからアルマータ


    
広場に立つレーニンの像
だたっぴろい広場に立つレーニン像は
なんだかこれ以上ない無用の長物だった

 今日はメーデーなので、キルギスタンもカザフスタンも国民の休日でした。午前中、中央アジアの最後の国のカザフスタン(途中少しだけ通り過ぎましたが)のビザの取得で手間取ったため、午前中の出発のはずが午後になり、あいた時間に薄曇りのメーデーのにぎわいを見物に行きました。
 昼食を取った後、カザフスタンの首都アルマトイへ。宿泊予定のアルマータホテルからホテルが変更になっていて、オトラルというホテルに泊まることになりました。
 今日、バスの窓から見ていて思ったのですが、元のソ連の経済政策で、たとえばウズベキスタンは綿を作り、カザフスタンは牧畜を主にする、などという風に決められていたらしく、カザフスタンに入ってからは、ずっと牧草地帯が続きました。これは、それぞれの国が独立して経済を営むことになった今、よかったのでしょうか、悪かったのでしょうか。もう少ししないと結果は分からないのかも知れませんが、興味のあるところです。
 それと、このあたりに、野生のチューリップが咲いています。これがチューリップの原種ということですが、黄色の小さな花で可憐でかわいらしかったです。これがトルコに伝わり、そこから、さらにオランダに伝わったとか。チューリップは好きな花なので、原種を見られてうれしかったです。
 明日はいよいよ、中国へと国境を越えます。本当に後残り少なくなりました。そして今日、ホテルに着いていつもの作業をしようとしたら、フロッピードライブが壊れていました。大切にしていたのにと、とても悲しくなりました。とうとう、犠牲者がでてしまった、という感じです。パナソニックさんごめんなさい。

ミニコラム キルギスタンのメーデー
広場に集まったメーデーの人々
メーデーのにぎわい
パレード前だからか、
人出が少なかったようだ
 今日は、5月1日メーデーだ。私たちが居るのは、旧ソ連圏キルギスタンの首都ビシュケクだ。旧社会主義国のメーデーということで、何となく珍しいことが起きそうな気がして、少しだけ胸が騒いだ。
 町は、暖かく晴れて人々は休日を楽しんでいるようだった。メーデーのパレードは2時スタートということだったから、それには早すぎたけれど、今日入国する予定のカザフスタンのビザが降りるまでの間、時間があいていたので、午前中、ホテルから歩いてすぐのところのレーニンの大きな銅像のある広場まで散歩に行った。ここは、昨日訪れようとして閉まっていた国立博物館のあるところだ。きれいに着飾った子供やたくさんの露天商、そして記念写真屋などが出ていて、さながら日本の日曜日の歩行者天国のようだ。全体的に民族衣装的な装いは少なかったが、キルギスタンの伝統の帽子をかぶった男の人が結構居た。
 今日は、休みだと聞かされていた博物館があいていたので中を見学したが、やはりいいものは、エルミタージュに持ち去られているらしく、これと言って素晴らしいものはなかった。器の建物が素晴らしいのでよけい、寂しく感じられた。3階の建物の2階が全部革命関係の展示だったので、それもパスしてしまったし。
 それよりも、広場の真ん中に立つレーニンの銅像が、何となく不釣り合いで遠くの山並みに向かって逃げ出しているように見えておかしかった。

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