1996年5月15日(第46日)
平涼〜咸陽


    
大仏寺の大仏の尊顔
大仏寺の大仏の尊顔

 今日は、最後の長距離ドライブで、しかも昨夜のアクシデントで疲れていたので、少し熱を出してしまいました。雨がぱらついたり、やんだりと天気もなんだかはっきりしません。
 午前中、まず、王母宮を見学して、その後温泉賓館というところで昼食を食べ、それから、温泉賓館の名前通り、併設のお風呂に入りました。中国では各家庭にお風呂があって、自由にお風呂に入れるわけでもないので、こう言うところが流行って当たり前です。お風呂には大浴場と、個室浴場があって、私たちは、添乗員さんの勧めもあって、大浴場は避けて個室にはいりました。個室浴場とは、小さな共用の脱衣室と二つないしは三つずつ、風呂桶があって、共用の脱衣室に入って服を脱いでから、それぞれ、自分の風呂桶に入るという、なんだか、妙な仕掛けになっています。体を洗うところを見られないで済むというだけのことです。これで地元の人は大浴場の2元の倍の4元、私たちはその倍の8元を支払いました。硫黄の香りのするお湯はぬるかったけれど、ゆっくり暖まったら、上がった後体がぽかぽかしました。
 午後は、大仏寺によりました。ここでは、お寺の入り口で、お線香を売っていたので、買っていって大仏様にあげました。いつもの通り、ちょっと簡単に般若心経をあげて、旅の無事を祈りました。
 話は変わりますが、本当に、中国に入ってから、犬も猫も一匹もみません。猫の絵柄の掛け軸とかはあるのですが、絵柄はみんな、長毛種の猫なのです。もしかするとやはり猫を食べてしまうと言うのは、本当のことなのかも知れません。だから、短毛種の猫は単なる食料だから、絵になんか書かないのかも。ぶるぶる。ちょっと怖い世界です。このごろ、ウエストポーチの中のうちの猫達の写真を見る回数が増えました。後、4回寝たら、猫達と一緒に寝られるのです。ママのこと覚えていてくれるかどうか、ちょっと心配ですけれど。

ミニコラム 西王母の出生地、王母宮にて
 この旅もいよいよおしまいに近づき、今日は最後の長距離移動の日だった。途中、2カ所の観光に立ち寄ったが、写真はそのうちの一つ、王母宮だ。ここは、中国の神話で名高い西王母が生まれたところと言われ、石窟の中に石で彫った仏像がいくつか残されていた。
 西王母といえば私は、美しい女の神様として知っていたが、最初は、動物の姿をしていると考えられていたらしい。それが次第に時代が下るにしたがって、半獣半人になり、最終的に、私たちのよく知っている美しい女性の姿になったという。ここにも、動物の姿の西王母のレリーフがあるのだが、例によって撮影禁止なので、写真が載せられない。
 しかし、どうして、中国は洞窟の壁画などという、写真のフラッシュが明らかに悪影響がある、と言うような場合でない時でも、写真の撮影が許されないことが多いのだろう。「再生出来るような記録をしてはいけない」というような意味のことが書いてあることが多いのだ。私には、今一つ納得がいかないが、もしかすると中国人特有の器用さで、その複製などを作ってしまうからなのだろうか。写真を撮れないかわりに絵はがきが買えるというようなところの方が少ないので、はるばる来た観光客としては、ちょっと残念である。

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