1996年5月18日(第49日)
西安〜北京


    
狛犬写真
陜西省歴史博物館の大きな狛犬?

 朝、なんだかたくさん夢を見て、くたびれて目が覚めました。この旅行に出て、本当にたくさん夢を見ました。いつも東京では夢など見ることはほとんどなかったのに、どうした加減でしょうか。旅は脳のどこか奥の方を刺激するのでしょうか。
 今日で、いよいよ、観光もすべて無事終了。ありがたいことです。今日は、ゆっくり9時半にホテルを出て、陜西省歴史博物館に行きました。ここで、旦那さんが日本に留学しているという女性と知り合いになりました。(ネットナビのホームページ参照)。私は次のシルクロードの旅行のために中国語を勉強しようと思っていますので、彼女のご主人が教えてくれることが可能かどうか、東京で連絡してみようと思っています。
 今回の旅で、中国に入ってから、ベゼクリク千仏堂をはじめ色々なところで、仏様にお会いしました。チャンスがあれば、私はいつも手を合わせてきました。といってもそらで覚えているのは般若心経だけなので、それをあげるだけですが、どこかで仏様にお参りする度にきちんとお陰を被りました。今日も、東京に帰って、さて、どうやって中国語の先生を見つけたものか、と少し気にしていたら、早速道が示されたように思うのです。帰国して1週間ほどで、今度は四国に両親をつれて遍路に出ます。今年は本当に旅が多いなあとつくづく思うのですが、なぜだか計画がどんどんたっていくので、不思議です。生活費も稼がなければならないので、そうそう旅ばかりしてもいられないのですが。東京に帰ると猫と一緒の貧乏暮らしが待っているのですが、何か仕事はそれなりにあると思うので、何とかなるかなあと思う反面、明日帰国ともなると、日本で愛車の火の車が暖気運転して、私が帰ると同時に爆走しようと待ちかまえているのがわかっているので、帰国できるのがうれしいような悲しいような。
 でも、旅は終わりがあるから、旅なのですものね。うふふ。
 西安から、北京への国内線は、団体計量で荷物を測ったら、一人頭20キロの人数倍を110キロオーバーで、追加料金が発生しました。とりあえず、添乗員さんが立て替えてくれて、北京のホテルに着いてからトランクの重さを測ったら、そのうち17キロが私の荷物でした。早速、1キロ当たり15元であわせて255元を支払いました。明日の日本に帰る飛行機は国際線で一人30キロまで大丈夫なので、何とかなるようです。よかった、よかった。
 夕食後、ホテルのティールームで偶然にお目にかかった日本からいらっしゃったビジネスマンとお話しました。彼の読んでいた、日本の新聞があまりに懐かしくて私が声をかけてしまったのです。トルコのイスタンブールからイランのテヘランを通ってやってきたとお話ししたら、その両方ともいらした事があるとかで、懐かしいからと話をしながら、お酒をいっぱいだけごちそうになりました。本当は、つきあっていただいたので、私がお支払いするべきなのですが、あいにく、15ドルしか持っていなかったので、そういうとごちそうするつもりだから心配しないように、とにこにこおっしゃってくださいました。久しぶりに、日本人の細やかな心に触れて少し、ほっとしました。

ミニコラム 陜西省歴史博物館のミュージアムショップ
陜西省歴史博物館
陜西省歴史博物館には
豊富な展示物がある
 今日はいよいよ、最後の観光で、陜西省歴史博物館に行った。ここには、西安のまわりで出土した数々の文物が展示されている。しかし、私がおもしろいと思ったのは、実にたくさんの場所に別れて、ミュージアムショップがあることだ。私が気がついただけで、5カ所あった。それぞれに、展示物とはほとんど関係ない町の土産物屋と同じ様なものをおいて、日本語や英語で話しかけてくる。実際商魂のたくましさと来たら、大変なものである。
 しかし、展示物の見学に飽きたらやはり、ちょっと土産物屋でも冷やかしてみようかと思うのも人情で、その中の一つの店をのぞいてみた。店員たちは、何とかして客が何に興味を持っているかを聞き出すと、展示品についている値札より、1割から1.5割ほど安い値段を耳打ちして、特別なディスカウントだからと購買意欲をかき立てるようだ。
 私は暇にまかせて、あれこれと手に取ってみていた。すると、ぽつぽつ会話するうちに、店員の女性が急に相談があるという。ドルの両替かなとぼんやり思いながら話を聞いていると、ご主人が、東京に留学中で何か力になってほしいというのだ。聞いてみると、仕事の紹介らしい。東京の大学の大学院に進学しているそうだ。猫を飼って、細々と暮らしている私にそんな力のあるはずもないし、それは大学の先生がちゃんと面倒を見てくれると思うというと、少し残念そうだった。けれども、明日、東京に帰ったら、ご主人に連絡してあなたがとても元気そうだったと伝えてあげるくらいなら出来るというと、うれしそうに東京の連絡先を書いてくれた。書きながら自分は29才であること、8ヶ月の子供がいること、夫は12月に日本に渡ったことなど、私が優しそうな人だったから、話してみた、などと話してくれた。ほめられたので少しいい気になって、私も中国語の先生を捜しているので、それでよかったら力になれるかも知れないと言うと、うれしそうにしていた。
 彼女が、私のほしかった本を仕入れ値で売ってくれるというので、聞いてみたら、180元の値札の本の仕入れ値とやらは80元だった。結構ごつい商売してまんな。さて、東京に着いたら早速電話をしてあげよう。

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