10.ブ リ ッ ジ へ


    
ブリッジ
艦橋。ブリッジは2段になっている。
上が私たちが訪れた部分。
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<ブリッジへ>  館内は、大きなアメリカ人の体には不釣り合いなほど、廊下や階段が狭かったり、急だったりする。私たちでも、頭がぶつかりそうなところがあった。「この船は古いから」とセーラー服くんが笑っていたが、本当に新しい船は空間的にも大きいらしい。フライトデッキから階段を5階分ほどあがって、最上階のブリッジにあがった。ブリッジからは、飛行甲板が大きく見渡せ、その一番にいい位置に司令官(艦長)の席があった。国際交流ボランティアの方の説明を聞きながら、そっとめがねさんに聞いてみると、司令官席に座ってもいいという。早速腰掛けてみた。飛行甲板はもちろん、かなり遠くまで海面が見渡せる。前にはたくさんのモニターが並び、無線装置、ビデオ装置など、有りとあらゆるものがあった。足の短い私はよじ登ったのはいいけれど、降りるのに一苦労した。
 ブリッジの天井は本当に低かった。背の高いC氏は、ブリッジの中で直立することは難しそうだった。そのこじんまりとした、作りには不釣り合いなほどに、機材が詰め込まれたブリッジは、やはり、なにやら戦争のにおいがした。
 つま先立ちしてブリッジの横の窓から、飛行甲板を見下ろして、先程聞いた説明の一連の発進、着艦作業の流れをイメージしてみようとしていたら、さっきのセーラー服くんが近づいてきて、彼の持ち場の大切なカタパルトの位置と、大体の飛行甲板のレイアウトを教えてくれた。つくづくでかい船である。

ミニコラム え、そんなもの買ってもいいんですか
お土産写真
キティホークの売店で
買ったものたち
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 キティホークを降りる前に、艦内のお店に案内された。そこで、キティホークのマークのついている、乗艦記念になりそうなものは、購入してもいいと言われた。他に食料だの衣料品だのも売っていたが、それはだめだった。私たちは、いくつかのワッペンを購入した。時間があったので、どんなものがあるのかと見て回っていたら、きれいな階級章(略章のようだったが)を売っていた。星とリボンのデザインがあまりすてきなので、思わず手にとって見た。見れば見るほどすてきなので、キティホークの案内担当者であるめがねさんに聞いてみたら、「買ってもいいですよ」と言ってくれた。なるほど私たちがそれを悪用するチャンスも場所もないのだから、かまわないとおもったのかもしれない。とろねこがうれしそうにこくんこくんとうなずいているので、星の部分が金色のものと、全体が銀色のものの2つを買ってきた。
 めがねさんにお礼をいい、「いい思い出になるね」と、とろねこにワッペンと階級章を渡すと、うれしそうにジャケットの内ポケットにしまい込んでいた。
 これは後の話になるが、私たちより後に出発したパーティのいくつかは、売店に寄らせてもらえなかったという。わたしたちも、飛行甲板を自由に歩くことはできなかったが、それをしていたパーティもあった。下から飛行甲板の端っこから手を振ってくれる他のパーティを見たときは、正直言ってうらやましかったけれど。それぞれのパーティがどういう経験ができるかは、米軍側の担当者の腹ひとつ、みたいな部分があるようだ。みんな平等に、と気を使ってくださるボランティアの方たちにもどうすることもできない部分だろう。とろねこは、参加できただけでありがたい、という気持ちのようだったし、私はむしろ、米軍と横須賀市とボランティアの方々のたくさんの好意で成り立っているツアーなので、そういう不平はいうもんじゃないと思っている。それがなかったとしても、本当に楽しかったのだから。

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