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8.いざ、乗船 |
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ライト兄弟の複葉機をあしらったエンブレム 拡大画像サイズ 263K |
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私たちはまず、大きなスロープを通って、船の横に開いている小さな入り口から中に乗り込んだ。そこは、まさに船の玄関のようで、艦名の由来となっているキティホークの町で、ライト兄弟の飛ばした複葉機を真ん中にあしらった、艦のシンボルマークの真鍮のレリーフがかかっていた。そこから、幅70センチほどの急な階段を二階分あがって、広い作業甲板にでた。ここは飛行甲板の下で、飛行機の整備をしたり、様々な作業をするという。船には、3カ所の格納庫があり、数十機の戦闘機を格納している。この甲板も、台風の時などには、格納庫として使われることもあるという。戦闘機は、大変精密にできているので、ねじ1本で人の命を奪うような大事故になることもある。そのために、常に甲板などは清掃が行き届いていなければならないし、修理、整備の精度は高くなければいけない。港に停泊している今は、整備のための絶好の機会なので、整備系の人たちは大忙しだと説明を受けた。船を案内してくれるのは、この船の乗組員である。30代とおぼしきめがねの人と、20代のはじめの笑顔のまだかわいいセーラー服の水兵さんである。水兵さんのセーラー服がちょっと寒そうだったので、「寒くないの?」と尋ねると、「寒いけれど、コートは一枚しかなくて、友達に貸しちゃったから...」という。そばでめがねさんが、「友達にね...」と笑っている。かれがちょろっとめくって見せてくれたセーラー服の上着の下は、おなかが見えていた。いくら天気がいいと言っても、日本の横須賀の12月、おまけにちょっと冷え込んでいる今日は、おなかだしてちゃ寒いよね。
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