太宰治ゆかりの場所 新 宿





 新宿辺も、こんどの戦火で、ずいぶん焼けたけれども、それこそ、ごたぶんにもれず最も   早く復興したのは、飲み食いをする家であった。帝都座の裏の若松屋という、バラックで  はないが、急ごしらえの二階建の家も、その一つであった。                                      『眉山』
 正午に、おいで下さるように、という小坂氏のお言葉であった。大隅君には、他に友人も  無いようだ。私が結納を、おとどけしなければなるまい。その前日、新宿の百貨店へ行っ  て結納のおきまりの品々一式を買い求め、帰りに本屋へ立寄って礼法全書を覗いて、結納  の礼式、口上などを調べて、さて、当日は袴をはき、紋附羽織と白足袋は風呂敷に包んで  持って家を出た。                                      『佳日』
   獲物は帰り道にあらわれる。  かれはもう、絶望しかけて、夕暮れの新宿駅裏の闇市をすこぶる憂鬱な顔をして歩いてい  た。彼のいわゆる愛人たちのところを訪問してみる気も起らぬ。                                  『グッド・バイ』

平成13年9月に燃えたビル 向いの浪漫亭、私にとって思い出の場所


 なかなか笑わないひとで、その点はちょっと私には気づまりであったが、新宿のスタンド   バアで知り合いになり、それから時々、彼はお酒を持参で私の家へ遊びに来て、だんだん  互いにいい飲み相手を見つけたという形になってしまったのである。                                      『女神』
 「新宿の秋田、ご存じでしょう!あそこでね、今夜、さいごのサーヴィスがあるそうです。  まいりましょう。」                                    『酒の追憶』
 その夜おそく、私は嫁を連れて新宿発の汽車で帰る事になったのだが、私はその時、洒落  や冗談でなく、懐中に二円くらいしか持っていなかったのだ。お金というものは、無い時  には、まるで無いものだ。                                     『帰去来』

JR新宿駅の東口を出たらぁ〜♪ そこは私の庭 大遊技場歌舞伎町ぅ〜♪ 「歌舞伎町の女王」 By椎名林檎


花園神社 梅が咲いていました。平成16年2月。


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