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舌磨きの悪癖と口臭抑止としての緑茶常飲の常識の誤解
すみません 名前:とも 8/2(金)03:14

すみません。つけたしです。私は中学まで舌苔をブラッシングしてとっていましたが、良くないと知り、今はアメをなめて取るようにしています。それでも大丈夫ですか?あと、飲み物というと、いつも緑茶をのんでいました。殺菌効果があり口臭にいいと聞いていたからです。でもそれが逆効果と知りびっくりしました。これからは水にしてみます。


舌磨きの悪癖と口臭抑止としての緑茶常飲の常識の誤解 名前:HONDA 8/3(土)16:50

>私は中学まで舌苔をブラッシングしてとっていましたが、良くないと知り、今はアメをなめて取るようにしています

舌苔を取るということは、舌粘膜の過敏を加速して、多かれ少なかれ舌表面粘膜の損傷を招きます。その結果、一時的な口臭の抑制と口腔内の爽快感はあっても、決して根本的に解決するものではありません。

舌磨きが長い間習慣となると、結局は口臭も習慣化してしまうことは、人類の長い風俗の歴史を振り返ってもはっきりしていることです。舌苔や、舌の粘膜病変に対して医学的に取り組むことは、内科学やとりわけ中医学では、診断の根拠とされ診断学として確立しています。

また、医学的な取り組みにおいては、舌苔は決して物理的に取り除くべきものではなく、体の状態を示すものとして観察されるので、もしそれが病的であれば根本的治療や生活改善が必要になりす。

舌苔を取り除くという手法は医療界においても、ほんだ歯科以外の口臭治療を行おうとする大学中心とした基礎研究者や歯科医だけが患者に勧めている対症療法に過ぎません。しかも、この考え方や方法は色々な本で紹介されたり大学でも普通に指導されている実態があります。

しかし、患者が実践してみればそれが対症療法的手法にすぎず、いかにして無効なことであるかは体験として理解できることであるし、過去の歴史からもわかるものです。

舌磨きをさせて、以後、舌を磨くことなく口臭を解決できたという学術的発表もありません。追跡調査のない手法は、対症療法として取り入れる以外は意味のないことで、治療法とは言えません。したがって、最初に治療として指導すべきことではないというのは、ほんだ歯科が口臭外来を開設して以来主張し啓蒙を図ってきました。

さらに最近は、一般の人たちの間にも常識として認識されるようになって来ました。

とりわけ、自臭症などの深刻なケースでは根底に粘膜過敏が関与している疑いがあり、根本的治療としては物理的に取り除くべきではありません。

治療で舌磨きを指示して、その結果粘膜損傷が発生した場合や、非可逆的な味覚障害が発生した場合は回復が難しいこともあり、そのような場合は医療過誤に結びつく危険性もあります。

舌苔除去が許されるのは、口腔生理の回復が難しく自力での治療が困難な老人や、非可逆的な重篤な疾患を持った患者に対して、消極的に対症療法的に介護的に行われる場合です。

アメをなめることは口腔を機能させる意味において、口臭を引き起こすことはないのですが、溶けて無くなれば口腔生理機能が再び低下するし、その成分が炭水化物であるため、口腔内ではアミラーゼなどによって分解されて酸を産生するので、口腔内は酸性に傾きます。その後の口腔内ケアーが悪いと、むしろ、虫歯を誘発する恐れがあるし、酸性に傾いたままにするとすっぱい臭気を引き起こしたり、口中の不快を誘発する可能性があるので、アメを食べた後は、必ず、口腔内にアメの成分を残さないようにする必要があります。

食事後の口臭の悩みに対する対応策と、口腔生理学的な考え方 を参照してください。

>飲み物というと、いつも緑茶をのんでいました。殺菌効果があり口臭にいいと聞いていたからです。でもそれが逆効果と知りびっくりしました。

緑茶に対しても、大きな誤解があります。
緑茶はカテキンなどのポリフェノールが入っているために、口臭に良いと考えられています。確かにポリフェノールは静菌作用や殺菌作用があり、口腔内細菌の活動を抑制するので口臭には有効な場合があります。したがって、緑茶=口臭抑制というふうに短絡的に考える歯科医師も多く、口臭抑制に良いものとして紹介をされるのですが。

また、緑茶は精神的緊張を緩和する働きがあるので、緊張事口臭などや唾液が豊富な食後の口臭を緩和するには有効です。

しかし、慢性的な口臭を抑制するために常飲する場合は、逆の効果をもたらすでしょう。

慢性的な口臭の発現においては、口腔内乾燥や、安静時唾液流の不足が原因となっていることが多く、このような場合に緑茶を常飲すると、緑茶には同時にカフェインやテオフィリンなどが含有されるために利尿作用が亢進して、唾液分泌に対しては抑制的に作用するので、結果として逆に口臭を引き起こしやすくなります。

実際に、喉や口が渇くときに、緑茶を飲むとすぐに口が乾くことを経験していると思います。

あるいは、演説などでよくしゃべる場合、唾液が欠乏してしゃべれない状態になった時に、緑茶を飲むともっとしゃべれなくなります。これは、唾液分泌が急速に抑制を受けるからです。

叉、緑茶を飲みすぎるとタンニンの影響で消化器には抑制的に働き、便秘などをひきおこすこともあります。

したがって、胃腸の働きのためにも緑茶は常飲するのではなく、緊張時口臭の緩和や食後の口臭の緩和やリラックスのための一服にとどめるべきで、唾液を即時に補うものとしては水が最適なのです。叉、生体に最も親和性のある飲み物は水なのです。
幸い、日本は水だけは上質で常に安価に供給されているので十分に活用すべきです。

口腔内乾燥を研究する基礎学者や、アメリカの口臭治療を行う臨床家たちも常飲飲料として水を推奨するのは、偶然ではなく医学的な根拠があるのです。




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